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<<   作成日時 : 2007/06/23 18:43   >>

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原作:筒井康隆「毟りあい」より/脚本:野田秀樹&コリン・ティーバン/演出:野田秀樹
出演:野田秀樹、秋山菜津子、近藤良平、浅野和之
シアタートラム 2007年6月23日(土)16時開演
全席指定 6,500円 C列13番


 いい天気。布団干す。
 しまうとき蜂が接近。恐怖!

 というわけで(どういうわけだ)『THE BEE』。近藤良平が役者デビュー! というので見たくて。
 いろいろ記事を読むうちにロンドンバージョンも見比べたくなりチケット取りました。

 原作「毟りあい」(筒井康隆)も借りて読みました。返す前にもう一度読む? と思ったが、痛々しいのでやめた。マスコミ、暴力、『ノー・マンズ・ランド』を思い出しつつ。

 「痛い」「やだー」「怖い」……後ろの席の人のつぶやき。黙って見られんのかい!(怒)
 帰り、「怖くて泣いたの初めて」と言ってる人が。
 そんな話。

 私はカーテンコールが一番泣けた。まだ世界をひきずっている顔の役者たちが。笑顔ゼロ。ま、笑われても嫌か。でもシリアスな話でも「やりきった!」的さわやかさが出るものってあるじゃない。そういうの無し。
 早くお休みください……。
 三回くらい呼び戻しちやったけど。拍手はたくさんしたいけど、役者がそこにいればするけど、早く解放してあげたいので拍手しないね。という感じ。
 まだ夜公演もあるのね。ハード……。

 流れはほぼ原作通り。
 あのハチャトゥリアン的歌謡曲は一体……。
 舞台装置、小道具は秀逸。たまに「楽しいんだろうけど……?」と思うこともありますが、今回のはハマってたな、と。

 詳しくはまたのちほど。

 野田地図、次回作は『キル』。妻夫木と広末だって……。羽野晶紀が懐かしい。

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 ゆっくり時間のあるときに、と思っていたら二ヶ月経ってしまった……覚えてるかな?


◇大道具?

 能舞台を意識しているのか。舞台奥天井からクラフト紙(?)が吊り下げられ、ずーっと舞台手前まで敷いてある。井戸が帰ってくる。リポーターが出てくる。舞台手前天井からクリップが下りてきて紙の端を持ち上げる。立ち入り禁止の柵(だかテープだか)。対策本部の機材なのか、よくわからなかったが、その持ち上げた部分に穴を開けて手を突っ込む。パチンコやってるように見えた……。紙の奥に人影。影絵のよう。そしてスクリーンになって映像を映される。さらにずずーっと持ち上げられ、紙の手前で演技。そして紙は家に。玄関を突き破って中へ。紙はまた床に敷かれ、奥の壁になっている部分にドアや窓やテレビが切り取られる。ままごとみたい。手前の角を折り曲げて雨戸を閉める。破って封筒を作る。ラストは全てを包み込む。

 面白かった! ままごと遊びのような面白さがあり、こんなふうに使うんだという驚きがあり、だんだんと崩れていく演出効果もあり。「日本は紙と木で出来た家に住んでると言われたよなー」と思い出したり。
 ちぎったりするのでゴミがたくさん。すさんでいく部屋の様子に涙。やっぱり掃除しないとダメだね……。


◇小道具

 小さな机と小さな椅子。食器とヤカンと箸。包丁とまな板。鉛筆。受話器だけの電話。クラフト紙の芯を切ったのかな、という筒。帽子。プレゼントの電卓。
 無理にパントマイムにせず道具に頼るけど、動きは限定しない自由さ。リアルではない舞台の面白さ。
 ヤカンは……確かに昔のアイロンには似ているかも(笑)。
 筒に帽子載せて子ども、は笑った。

 そしてやっぱり鉛筆と箸……。
 何かのインタビューで指に見立てた鉛筆を折るというのは読んでいたけれど、あれはすごいな……。力の込め方、音。鉛筆なんだけど、確かに指。見ていて痛い。役者もイヤだろうなぁ。でもこれを「鉛筆なんだから」とガードしたら芝居じゃなくなるもんね……。しんどいなぁ。


◇音楽

 野田芝居の音楽って、実はちょっと苦手。大げさというか、時代がかってるというか、そんなに「これは好き!」と思ったことがない。
 今回は、繰返しのところでかかっていた音楽は好きでした。
 ハチャトゥリアンは……なんなんですかねあれはー! 尾藤イサオなのね。調べて『おバ歌謡』借りちゃったよ。客入れ客出しのときのヘンな歌の数々も入ってますよ。あの歌と、不気味な踊りはまったくもって意味不明でした。ちょっと見ていて恥ずかしい……。
 歓びすぎ……。


◇役者

 野田秀樹、若いね〜。動くね〜。子どもに優しいんだよね。原作読んでるときは意識しなかったので、「おお」と。
 秋山菜津子は本当にお疲れ様というか……。露出度高いし、子どもは傷つけられるし自分はレイプされるし客席に向けて足広げるしエロい目で見られるし、本当にもう痛々しくてお疲れ様です……。蜂の羽音が上手だった。
 近藤良平はさすがにジャンプがかっこいい。役者デビューとはいえコンドルズも芝居要素はあるので普通に。
 浅野和之、老けた……(爆)。って、50過ぎか〜。かっこいい! 若い!(笑)


◇空気や演出や

 これってテーマとしては『ロープ』と被ってるなぁと思ったわけですが、断然芝居として面白いしパワーもあったなぁと思いました。『ロープ』の戦争の描写(宮沢りえが実況する)は現実に頼っている気がした。本で読むのと同じというか。戦争についての映画やニュースの映像を思い出すだけというか。
 こちらは狭い空間の個人的な話なんだけど、だからよりリアルに感じられ、さらにはもっと大きな世界の戦争についても思いが及ぶというか。そういう力がお芝居にはあるんだと感じさせる舞台というか。

 小古呂の妻は拳銃を手にしたけど、どうして状況を変えられなかったのだろう。根性の差か? 撃っても子どもを連れて外へ出るのは難しいと思ったのか。撃つ勇気がなかったのか。恐怖に捕らわれていたのか。撃ったら話終わっちゃうけど。
 その、恐怖に支配される様子とか、恐怖に支配されても日常生活は続く様子とか、「戦争ってそうなのかも」という感じが、痛々しく、うまいなぁ、と。
 部屋がどんどん散らかって荒んでいく感じとか。
 そして一連の動きを繰り返す中で、子どもが自ら手を差し出す(指を切り取らせるために)ところで涙……。絶対おかしいのに、馴らされてしまう怖さ。

 食事をしようとすると、ドアポストから井戸の子どもの指が入った封筒が落ちる。それに反応して動き出すので井戸は食事をしない。やっぱりちゃんとご飯食べないのも駄目なんじゃない? と思いながら見てました……。

 原作のラストは人質が死に、井戸が自分の指を切り落とし、「あ、またステージひとつあがっちゃった」みたいな印象で終わった。「本当に狂っちゃった」みたいな。まぁすでに狂ってたのか。最初から徐々に狂ってたのか。あんまり意識してなかったんだけど……。「被害者の反撃」かと思ってたら「加害者の決意」だった、みたいな、その似て非なるものだった、というようなところをちゃんと見てなかったような気はするので。
 それでまぁ、原作はそうだったから、舞台で井戸が包丁を振り上げたとき、「どこで終わるのかな?」とわくわく見ていたわけです。「振り落とさんとす、というところで暗転、はベタかな?」とか(笑)。振り落とす動きまで見せたら、やっぱり危ないのか、ロンドンバージョンは振り上げたポーズ決めて暗転、でしたが。
 そしたら例の巨大クラフト紙でばさばさっと丸められてしまって。「おお!」と。マスコミは飽きて去った、みたいな描写があったけど、そんな感じで。この事件はゴミになったんだ、というか。

 蜂は、なんなんでしょうね……。拳銃を持っていても蜂は怖いのね。やっぱり恐怖は人を支配する……のね?

 面白かった。よかった。
 という言葉はそぐわない気はするが。
 すごかった。見てよかった。見るべき。
 舞台って本当にいいもんですね〜!<のーてんき
 惜しみない拍手を。心安らかに……。

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2007/08/22 10:36

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